マイケル・ムーア的思想

彼のやり方は当初は自らの理念に適ったものだとは思います。しかし時間が経つにつれその劣化が早すぎると私自身は感じています。

以前アメリカの番組を英語の教材として見たのですが(喋りが早いのですが英語字幕があるので断片的に何を言ってるかは分かる)、ちょうど前回の大統領選における特集か何かを彼の番組で組んでいて、各大統領候補に「モッシュをしてくれ!そしたら私が総力を挙げて支援する!」というプラカードを掲げ、モッシュができるような移動用ライブステージトラックに若者を大量に載せ、選挙事務所に殴りこむ、というストーリーです。最初のうちは彼らしいなとまあ比較的面白おかしく見てたわけなのですが、モッシュの代わりにボディプレス(プロレスみたいなあんなんじゃないですよ)をした候補を見て、ムーアは「我々の勝利に1歩近づいた」的な事を発現していました。つまり彼にとってあの反骨精神は自らの理念を唱えるための道具に過ぎない、本来ならば反骨精神がモチベーションとなり様々な行動を起こしていくはずなのですが、彼の場合はその反骨精神すらも道具扱いにして、自己満足を得るためのキーにしてしまっているように感じました。私含め周りが胡散臭さを感じてしまうのも、どうやらそこらへんが原因のような気がします。

そんな彼は今日、米大統領選の激戦州20州を行脚し、貧困層や若者など棄権しそうな層に投票を呼びかける「怠け者を起き上がらせるツアー」計画を発表しました。26日にミシガン州を出発し、38日間で20州60市を訪れて、大学キャンパスやスタジアムで講演するそうです。お得意の手法ですが、今回は果たしてどこまで通用するのやら・・・?